抵当権と国税等は、どちらが優先するのか⁉さいたま市の不動産売却相談センター
こんにちは。
さいたま市の不動産売却相談センターのブログをご覧いただきありがとうございます。
不動産売却のご相談に伴う様々な問題点を相談事例を基に考えてみたいと思います。
今回は、競売物件や任意売却物件を取得あるいは仲介する際に、その物件の登記簿を確認しますが、抵当権や税金の差押え登記がされている物件を目にする機会は少なくありません。そのような不動産売却についてお話ししたいと思います。
抵当権と国税等との優劣
抵当権と国税等はどちらが優先⁉
不動産の競売や任意売却の際に、抵当権(私債権)と国税等(公債権)とは、どちらが優先されるのでしょうか。
競売物件の場合ですが、登記簿を見ると、抵当権の実行による競売開始決定の登記の前に税金の差押えの登記がされていました。この場合、どちらの債権が優先されるのか。
抵当権の登記が、租税公課(※1)の法定納期限(※2)以前になされたものであれば、抵当権の被担保債権のほうが租税債権に優先されます。
※1「公課」とは、国税及び地方税以外の国民健康保険料などの公法上の債権をいいます。
この「公課」の徴収も私債権に優先し、租税と同様に扱われます。
※2「法定納期限」とは、租税公課を納付すべき本来の期限のことです。
その理由は
一般的に、租税(国税・地方税)には一般的優先徴収権があり、納税者の財産について、原則としてすべての公課その他の債権に先立って徴収することになっています。
しかし、租税公課と抵当権や質権など(以下「抵当権等」といいます。)の被担保債権との優劣については、抵当権等が租税公課の法定納期限以前に設定されたものであるときは、租税公課優先の原則の例外として、抵当権等の被担保債権が租税公課に優先することになっています。
任意売却の場合も同じ⁉
もし、このような物件を任意売却で取得する場合も、同じように考えてよいのか⁉
基本的な考え方は同じですが、あくまでも話し合いにより、任意売却で取得するとなると、競売の開始決定の登記より租税債権の差押えのほうが先でもあり、特に配当余力が無いような物件の場合には、必ずしも同じようにはいかないと考えたほうが良いと思います。
租税債権の差押えについては、国税徴収法に「差し押さえることができる財産の価額がその差押えに係る滞納処分費および徴収すべき国税に先立つ他の国税、地方税その他の債権の金額の合計額を超える見込みがないときは、その財産は、差し押さえることができない」と定められています。
この規定を「無益な差押え禁止条項」といいます。
とはいうものの、実際には無益な差押えかどうかなど税務当局は厳密には調査せず、公租公課を長期間滞納すると差し押さえ登記が設定されてしまうというのが現実です。
したがって、税務当局は、簡単に差押えを解除してくれません。
当局に差押えを解除してもらうためには、税務署長等に対し、その差押えが無益であることを立証するための資料を添付して申し出る必要があります。
まとめ
何とか頑張ってみたものの、裁判所から競売開始決定の通知書が郵送されて、慌ててご相談に来られる方が少なくありません。
色々なご事情で、住宅ローンの支払いや税金の支払いが大きな負担となり、この先支払うことができなくなるかもしれない。また、実際に延滞等が始まっている等。
現在お持ちの不動産がいくらで売れるのか⁉といった査定はもちろん、不動産売却等のご相談を、承っております。お気軽にお問い合わせください。
今回も、さいたま市の不動産売却相談センターのブログをご覧いただきありがとうございました。
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